2017年01月21日

夜杉さんより

9歳の秋、小学校の図書館でふと表紙に惹かれ『精霊の守り人』を手にしてからもう15年です。しかし本当に大切な物語であるがゆえに、好きだという思いを今まで言葉にできず来てしまいました。20周年ということで、思い切って遅ればせながらお祝いの気持ちを込めて投稿しようと思います。

当時の私は絵本の優しさに慣れきっていて、傷だらけで戦うバルサの存在、登場する人たちそれぞれが背負う悲しみや理不尽に初めて触れ、とても狼狽えたのを覚えています。お話なのにこんなことってあるのかと。しかし同時に、世界の厳しさと優しさを手加減なく語ってくれる物語に強烈に引き込まれもしました。
夢中で思い描いた情景や匂い、手触り、たとえばタンダの家の暖かさや青霧山脈の霧雨、カンバルの夕方、商家の軒下のぬかるみ、海風の塩気、寒い朝の馬が吐く白い息なんかを、こんなにも鮮明に、自分の思い出のように覚えているものは他にありません。
以来、守り人をいつもかたわらに育ちました。上橋さんの文章で言葉を覚え、二木さんの挿絵で絵を学んだようなものです。ナユグを見ようと頑張ったり、バルサの短槍さばきを知りたくてなぎなたを習ってみたり、装丁を愛でることを覚えたり、守り人のメディア進出にドキドキしたり、挙げ始めればきりがないですが、守り人シリーズからはたくさんの楽しみをいただきました。言葉にすると陳腐ですが、本当に感謝しております。
なぎなたを習っても結局バルサにはなれませんでしたが(笑)、守り人に登場する彼らの生き方は私の血や肉になっているのだと思っています。字ばっかりのこんな本が自分に読めるだろうか……と本棚の前でぐずぐず迷っていた小さい私、そこで借りて大正解だよ。

上橋さん(ずっと「さん」と言っていたので「先生」ではなくそう呼ばせてくださいませ)、素晴らしい物語をありがとうございました。これからもずっとずっと大好きです。
posted by しらい at 14:12| Comment(0) | お祝いメッセージ
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